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「母音+父音=子音」の100音

 

■現代では母音と子音のみで表されているが、日本語の音とは「母音と父音からなる子音である」という捉え方もある。今風に表現すれば父音とは例えば「トカゲ」をローマ字で表記する場合、父音のT・K・Gと母音のO・A・Eの配合からTO・KA・GEという子音ができるということだ。通常子音と表現している音を父音と呼び、この母音と父音の接合から日本語の音としての子音が生じるという論理である。

■この表現に順じると、日本語の音は、母音だけの<ア・イ・ウ・エ・オ>及び父音だけの「ン」の6音以外は、全て母音+父音からなる子音であるということだ。母音は<A・I・U・E・O>の5つ、父音は清音の<K・S・T・N・H・M・Y・R>と濁音の<G・Z・D・B>及び反濁音の<P>の13(半母音扱いのWも入れると14)ということになる。混乱さえしなければこれは考え方としても面白いものだ。

■なお初期にはほぼ清音しかなかったという大和言葉も現代日本語では、上図のように濁音・半濁音・拗音も加えた日本語音一覧表として表現することができる。この場合は5母音にYA・YU・YOを半母音として加えた8母音として最上段に配し、13個の父音としてのK・S・T・N・H・M・R・G・Z・D・B・P・Wを最左端に示した14段からなっている。「母音+父音=子音」も確かに腑に落ちる。(1)



■だだしこの図表のだ行の<ぢDI>、<づZU>、及び<ぢゃDYA>、<ぢゅDYU>、<ぢょDYO>は、1つ上のざ行の<じZI>、<ずZU>、<じゃZYA>、<じゅZYU>、<じょZYO>と発音上は区別がつかない。また最下段の<をWO>も<おO>と区別ができない。上の表からこの区別のつかない灰色に塗った部分の音を引くと、残る音の合計はぴったり100音になる。これは恣意的な数合わせではなく、日本語の学問的な話でもある。

■「日本」は音声学上の音節では「にっ・ぽん」と2つになるが、私たちは普通「に・っ・ぽ・ん」と4つの単位でも数えている。このような単位を音韻論では「拍」(モーラ)と呼ぶのだが、日本語の拍の総数は全部で103個ある。この中から母音のない3つの撥音・拗音・長音、すなわち「っ」・「ん」・「−」を除くとぴったり100になる。つまり上図表に「っ」と「−」を加えれば日本語の拍表となるのである。

■現代のコミックなどでは母音にも濁点を付けてあ゙、い゙、ゔ・、え゙、お゙と書き表したり、ネット上の書き込みに誤字ではなくあえてぢ、づ、ぢゃ、ぢゅ、ぢょなどと打ち込んだりする表現が現われて久しい。乱れているとか汚くなったなどと非難する者もいるが、言語は常に生命を持ち、変化しゆくものだから、今後より整合性を持つ音節表にこの歪みや差異が収束統合される可能性もなくはないだろう。

………………………………………………………………………………………………
1)大宮宗司編纂『日本辞林』(明治26刊)「文典大意第一篇 音韻 第二章 母音 父音 子音」より。「父音とは、母音と配合して、子音をつくる一種の音なり。その音隠微にして、いまだ、判然と口外にあらはれたるものにあらず。されば、また、これを標すべき文字のあることなし。今、仮に、片仮名字を以て示すときは、五十音の宇列の、ク、ス、ツ、ヌ、フ、ム、ユ、ル、ウ、九個の子音より、母音を引き去りたる跡にのこれるもの、即ちこれなり。」


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  • 2020.07.01 Wednesday
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