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そもそも正4面体とは何か



■人間の視覚系は絶え間なくパターンを見つけようとする。最もシンプルな例は、近接した点と点を結びつけて線として認識してしまうことだ。これは意識する前になされている無意識的な操作であり、実際には何もないところにまで見えてしまう関係線は、通常錯視として解釈されている。しかし単なる進化過程の勇み足ではなく、視覚の原初的反応と直接関係を持った、時空を超えた能力なのかもしれない。

■先ず点が1つ。「点」は0次元である。次に点が2つ。2点の間に関係線が引かれる。「線」は1次元だ。点が3個だとこれらをつないで正3角形の「面」ができる。2次元である。さらにもう1つ点を加えよう。4つの点を6本の力線がつなぐと、外部と内部を分ける正4面体ができる。3次元である。余計な設定がなければ各点と各線は単純で安定した位置関係を保ち、それが最も対称性が高い形となる。



■それにしてもそもそも正4面体とは何だろう。自然界は無駄をしないという表現があるが、正4面体は最小の素材、つまり4の点・4つの面・6本の線で、3次元空間を内と外の2つに区分する単位ユニットだ。この内側の閉鎖空間を専門用語で「胞」という。この立体に対する視座は外側からだけでなく、内部側にも想定できる。この内と外という交換可能な双対があって初めて立体は存在できるのである。

■「4面体は宇宙で最も単純な最小の構造システムである」とバックミンスター・フラーは言った。あらゆる多面体は4面体を構成要素として再分割できるが、4面体より少ない構成要素の多面体には分割できない。また自然のあらゆる構造が4面体から形成されていることを化学者や治金学者や生物学者たちは発見した。この様々な4面体のバリエーションの中で最も対称性が高いものが正4面体である。



■幾何学的に言えば、正4面体は5つあるプラトン立体(正多面体)の内の1つで、内接球・中接球・外接球の3接球を持ち、また7本の回転対称軸を持っている。5つのプラトン立体において、正6面体と正8面体、正12面体と正20面体という双対関係の立体があるが、正4面体だけは自分自身と双対の関係である。直角90度から19.5度引いた70.5度の2面角と、19.5度足した109.5度の中心角を持つ。

■正4面体はそれぞれ面・点・線の強調によっても表現できる。まず面の強調では正3角形4枚を組み合わせることで下図左のような正4面体ができあがる。また点の強調では同じ大きさの球体4つを互いに接するようにして積むと図中央のような正4面体となる。(重心をつないだ形に注目。)線の強調では同じ長さの6本の棒を1点に3本が集まるようにつなげば、図右のようなフレームの正4面体となる。

■正4面体が点・線・面で結合することで異なる構造と特性を持つものが生まれ、さらに胞を交差・相貫させることで他の多面体を生成していく。例えば双対に交差させて頂点をつなぐと正6面体となり、5重対称性を持つよう相貫させて頂点をつなぐと正12面体となる。そして面点変換すると正6面体は正8面体に、正12面体は正20面体となる。これで5つのプラトン立体が出揃うが、詳細は後でまた見よう。 













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  • 2019.08.22 Thursday
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