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無意識の在りか



■1■意識は合理的な思考と感情の在りかであり、無意識は非合理的な思考と感情の在りかなのだとフロイトは言った。私たちは思っている以上に、物事の決定は無意識の思考によってなされている。しかし今日の認知心理学者たちは、実際の人間心理はそれほど明確に二分化されるものではないと考えている。

■2■カーネマンは思考を「自動的」と「制御的」の2つに分けて考えている。前者は意識的認識の外にあり、必要なのは単純な刺激だけで熟考や計画性を伴わず、素早く効率的である。後者は逆に、意識的思考を意図的に、比較的ゆっくりと行う必要がある。両者は補完し合うが、時には対立することもある。

■3■行動主義心理学者のスキナーは、人間の活動は周囲の環境で見聞きしたもの、匂いや触れたものに完全に支配されていて、意識的な意図は何ら役割を果たしていないと主張した。その後、環境のきっかけによって直接誘発されることはないという考え方に反駁された。しかし双方ともに行き過ぎであろう。

■4■人間には生まれながらにして、他人の感情表現や身体的なジェスチャーや、体の姿勢などを模擬する傾向がある。これは乳児の時から観察されることであり、音名でも会話をしている時、相手の身振りや姿勢を無意識に真似ていることがある。これは「カメレオン効果」として知られている現象である。

■5■無意識の模擬は他者に共感する気持ちを培い、互いの間に親密さを生み出す社会的な行動でもある。この傾向は単なる表情の模擬を超えて、思い出しただけでもその人の特徴的行動を真似てしまうことすらある。しかしそれは無意識に起こるので、自分たちの行動がどのように影響されたかに気付かない。

■6■「身体化された認知」の研究分野によると、物理的な行動や感覚はそれらに比喩的に関連付けられる心理状態を引き起こす。熱いコーヒーカップを持っていた人は、アイスコーヒーを持っていた時より、他人について「より暖かく寛大で、より好意的な印象を抱いたというベタ過ぎる実験結果が出ている。

■7■物理的な経験が無意識の内に判断や行動に影響を及ぼす。交渉時に硬い椅子に座らせると、柔らかい椅子の時より頑固で妥協しにくい。ごつごつした手触りの物を持たせると、人との出会いがぎこちなく、上手くいかないと判断しがち。無意識の内にほぼ全てを大雑把に判断しがちであることが分かった。

■8■心とは氷山のようなもので、意識を水面上の部分とすると、その下には大きな無意識層の氷塊があるとフロイトは言った。最近の述語的日本語の捉え方を1つ捩って推し進め、水面を個人とその環界の界面とみると、はみ出した心と無意識は、その存在場である空間側にあると表現することもできまいか。













 

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  • 2020.07.01 Wednesday
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