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3色説・4色説・段階説



■1■私たちがどのように色を感じるかについての原理は未だに完全なモデルが存在していないが、色覚説には現在のところ主に「3原色説」と「4原色説」が存在する。西洋的な2元論的世界観の中で、他の諸ジャンル中の3と4のモデル同様に、この2つの説の間には長いこと論争が続いた。「3か4か?」

■2■3色説(ヤング=ヘルムホルツ説)とは、色光の3原色RGB(赤・緑・青)の加法混色で殆どの色が作り出せる事実を踏まえて、人間にはそれらに反応する3種類の神経細胞があり、その組み合わせで全ての色を認識できると言う説だ。ただしこの説では人間の視覚系統に起こる残像現象を説明できない。

■3■4色説(へリングの反対色説)とは、色知覚の基本と定めた赤・黄・緑・青・白・黒の6色のうち、それそれ赤と緑、青と黄、白と黒を互いに対立した色とし、この3つの反対色の対が3種類の視細胞に対応してそれぞれの色が知覚されると言う説で、順応、対比、補色残像現象を説明することができる。

■4■ヘリングの「反対色説」は1874年。1801年にトーマス・ヤングが提唱した「3色説」をヘルムホルツが発展させたのが1868年。この2説が1世紀半にわたって「3か4か?」が争われてきた。日本人的な発想ではこの2択だけでなく、答えの中に「3も4も」もしくは「3でも4でもない」も自然に入る。



■5■現在では網膜の初期段階では3色説が有効であり、その後の段階では4色説が適応可能であるというように、2つの説を相補的に組み合わせた「段階説」が主流となっている。ニュートンの「光学」(1704年)とゲーテの「色彩論」(1810年)の対立も、2択ではなく異なる位相の捉え方と見て取れよう。

■6■ヘリング4色説の図を見てみよう。赤・黄・緑・青の4色で全色相を知覚できるとするが、赤と緑の混合を示す「赤緑」や青と黄の混合を示す「青黄」という色は存在しない。そこで赤と緑、青と黄の「反対色」が交差しないよう、うまく調整された色相環で表現されている。右下の数値は混色比である。

■7■人間の視覚は赤と緑、青と黄はどちらか一方しか知覚できないので、赤緑や青黄という色はない。しかし固視微動を強制的に固定し、隣りに並べた色の領域が網膜上で静止するようにすると、輝度が等しければ両者の境界が消え、反対色ですら混ざり合うことが、最近の精密な実験によって分かっている。













 

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  • 2020.07.01 Wednesday
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