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重力の呪縛と恩寵

 

■1■前世期の『機動戦士ガンダム』では「人類は地球の重力の呪縛から逃れられない」と語られた。重力は人間の自由を制限するというネガティブな捉え方だ。1994年、詩人河村悟氏のギャルリ・ウィでシモーヌ・ヴェイユの『重力と恩寵』を初めて知ったが、私は助詞を違えて「重力の恩寵」と誤記憶した。

 

■2■重力は呪縛ではなく恩寵であるという世界観の反転。当時のヌース理論では、重力は「人間の意識の総体」とか表現されていた。デボン紀。地質時代の区分の1つで古生代の中頃、約4億1600万年前から約3億5920万年前までの時期だ。ここで脊索動物の上陸という生物進化の歴史上重大な革命があった。

 

■3■水中で1/6に相殺されていた重力は、大気中では6倍になる。両生類は肋骨で内臓が潰れるのを防いだり、四肢を強力にしたりして重力に抗って体を支えた。今でも両生類とそこから進化した爬虫類の多くは、四肢で重力に抗って腹を引きずる形状を持つ。爬虫類の「爬」の字は「地を這う」の意味だ。

 

■4■しかし重力はただの呪縛ではなく恩寵でもあった。重力が6倍化することで、DNA中の遺伝子が活性化し、鰓呼吸から肺呼吸へと切り替わるのだ。鰓が縮小して、皮下組織に赤血球が詰まった造血巣が並ぶ。ミトコンドリアの細胞呼吸能力が高まり、腸管腔内が破れて喉と繋がり、肺呼吸へと変容する。

 

 

■5■前世や来世や次元上昇などという概念は、何度も輪廻転生しながら進化していく魂という世界観の中にある。生命進化もまた地質学的に長い時間が必要で、個体とは関係なく統計学的に多くの失敗と死を前提にしているイメージがある。しかし個人の一生中の輪廻転生的な大変化も、進化もありうるのだ。

 

■6■両生類アホロートルの個体に3か月で6万年分の変化をさせる「陸揚げ」という実験がある。3か月かけて慎重に飼育槽の水を減らしていくことにより、重力と大気の変化の中でのた打ち回って、もしくはさほど苦しまずに、その形状や身体機能を変容させて、鰓が消えて皮膚と肺で呼吸するようになる。

 

■7■実は両生類アホロートルは昔、陸に上がって爬虫類になっていた。しかし洞くつなどに迷い込んで陸に上がれなくなり、水中生活を余儀なくされて幼形成熟したものの末裔だ。だが生命記憶はまだ保持し続けている。つまり未顕現のまま保持されてきた遺伝子が環境激変により発現機能し始めるのである。

 

■8■劇的な変容と言っても、この場合はかつて一度進化してから幼形成熟したものであって、人間の個人における輪廻転生的な大変化が可能な証拠ではない。しかし人間もまたかつて一度進化したけれど幼形成熟したものだという考え方はあり得ないだろうか。証拠のない単なる発想だが、全否定はできない。

 

■9■科学的には「人類ネオテニー(幼形成熟)説」というものもある。これはヒトはチンパンジーのネオテニーだという説だが、ここで提示しているのは、私たちはより進化した霊長類の幼形成熟であるという発想だ。「輪廻転生はあるのかないのか?」という二元的発想を超えて行く先に反重力創生がある。

 

)アホロートルの画像元。http://haworthia.blog55.fc2.com/blog-entry-434.html 借用して加工させてもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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  • 2017.05.24 Wednesday
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