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アジアカップ優勝の後の楽しみも
- 2011.01.31 Monday
- ■サッカー&スポーツ
- 11:32
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- -
- by 小野満麿
■本当に多くの要素や思惑が絡み合い、それが(日本にとっては) いい形の結果として創出された。サッカーのアジアカップ2011の話だ。先ず決勝の日本vsオーストラリアだが、両チームの戦い方は全く異なっていた。オーストラリアはその体の大きさとスピートにものを言わせて、ロングボールをゴール前に放り込んで力技でねじ込もうという戦術だが、日本は早いパス回しのゲーム作りから一気に得点まで持ち込む未来的な戦術だった。単純と複雑、力と技、過去と未来。
■フィジカルに優れたところを前面に出すオートスラリアのキック&ラッシュで長身のツートップに当てるの戦い方を非難するつもりはない。持てるものを使わない手はないのだから。去年優勝したJリーグで名古屋グランパスもやはりオートスラリア人の長身FWケネディをうまく使っていた。ただ、今回のオーストラリアはね細かいテクニックや戦術よりも力でねじ伏せようとする面白みのない戦い方なので、未来を志向する日本の緻密な戦術にさらに肩入れしてしまう。
■次回のアジアカップは4年後にオーストラリアで開催される。今回あっさり優勝カップを持っていくのではなく、リセットして新生してくるであろうオーストラリアチームが次回まで優勝をお預けにされたとしてモチベーションを高めて欲しいのは、決勝戦におけるほんの僅かな差で決まる勝者と敗者の圧倒的な差異を見せて沈みこんでいた彼らへの心からの希望である。
■元々はオセアニアだった新参者のオーストラリアに優勝をさらわれたくないなどという背景雑音は、弱者の遠吠えとして退けるとして、日本のパスサッカーがパワフルで高いオーストラリアをねじ伏せて勝つほどにはまだ全然熟成していなかったことは現実だが、精神力と団結力、そして目に見えない闘神か勝利の女神がいるのではと思わせるほど微細なところで勝利側に振れる最終結果たち。生涯無敗だったけれどその実、紙一重の差で勝ち切った闘いが幾つもあった、宮本武蔵を連想した。
■最後の決勝点を上げた李忠成の1つ前の国籍でもあった韓国のチームも、日本に勝るとも劣らぬ才能溢れる若手が台頭してきているので、今後一層強くなっていくに違いない。さらに開催国でもあったカタールは次の次のワールドカップ開催国でもあり、一層力をつけてくるだろう。コンフェデレーションズカップ参加資格、自壊アジアカップ予選の免除など、アジアカップで結果を出せたことは今後の日本チームにとって多大な財産をもたらしたことは喜ばしい限りだ。
■ザッケローニ監督の人心掌握や絶妙な采配、日本チーム特有のメンタルな和の精神、試合ごとに出てくるヒーローなど、さんざん記事に書かれていることに関しては改めて書き記しはするまい。しかし3年後のワールドカップに向けて熟成していく予定の日本チームは、その前に今年の7月にアルゼンチンで開催される南米選手権コパ・アメリカに招待されているのだから、まずはそこでどれだけの成果を出せるか実に楽しみである。
■招待チームの日本は予選リーグでは、シードのアルゼンチンが入っているグループAに組み込まれている。コロンビア、ボリビアが同グループだが、ぜひとも予選リーグを突破して決勝トーナメントに進みたい。ちなみにグループBはブラジル (シード)、パラグアイ、ベネズエラ、エクアドル、グループCはウルグアイ (シード)、チリ、ペルー、メキシコ (招待)の組み合わせだ。アジアの盟主として強豪ひしめく南米各国のなかで、どれだけその力を磨くことができるか楽しみである。
■その前にキリンチャレンジカップ等もあり、Jリーグもスタートするのだが、最高の結果と勢いを得て前進できる日本チームの未だ見えない伸びしろの先への期待も含めて、実に未来に対して希望のある2011年のスタートを切った。本当に心からご苦労様、おめでとうと言いたい。実にスリリングで楽しい1月を過ごせたことに対しても感謝したい。松井、香川に対しても、最小的には結果として良かったと言える未来を強く願い祈りたい。
--------------------<< 追記 >>---------------------------
■戦士には休息が必要だ。しかし気の早い者として、南米選手権について思いは巡る。ワールドカップが安全なお祭り騒ぎのディズニーランドだとしたら、コパアメリカはぼうっとしてたら命の保障もないサファリパークだという喩えがある。前回のトルシエジャパンとしての参加では、それこそボコボコに負けてしまった。しかし今回はアジアカップ優勝国として警戒され、かなり研究もされての戦いとなるであろう。
■大会に華やかな色を添えるために門外漢を呼んでみたら、来る途中でどえらい戦績と勲章を得てしまった。しかも去年は同一シードのアルゼンチンが日本というアウェイの地とはいえ0−1でまさかの敗北すら喫している。ある意味南米側から見れば道場に招いたつもりが、吉岡道場に乗りこんだ宮本武蔵のような(ザックジャパンが武蔵にいまだ見える私)道場破り的で難儀なヤツラだったと思わせるような戦いを希求する。フォルツァ、ザックジャパン!
法に従う前に法を精査せよ
- 2011.01.30 Sunday
- ■日々の記録
- 23:48
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- -
- by 小野満麿
■1■古代ギリシアの昔からニュートンら時代まで、法律だけでなく法則までも含む「法」とは支配者が国民に与える命令だった。そして今と違うところは、国民がそれに従うか従わないかを選択することができたという点だ。もちろん奴隷や女性には選択権がなかったのではあるが。
■2■現在の「法」はその直線的な延長にあるのではなく、法学などという学問が様々な解釈をしているが、国が定め与えた法に対して、個人的に法を踏まえることなく異議を申し立てたり、自らはその効用範囲から外れることを選択することは許されないことと勘違いさせられている人がいる。
■3古代ギリシアのさらに昔までさかのぼってもいいが、法律の法的拘束力といものは、自然法則の「法」とは異なり、世界観・宇宙論に応じて採用しなくてもよいものであるという大前提を失念してはならないと考える。法律には自然法則にはない悪法がある。くみしない自由がある。
■4■もちろんエゴやひとりよがりに対しては外部の同様の権利から制限が掛けられはするだろうが、それは法律という顕現によってではなく、個々人の中に確実に存在し得るであろう根本的な倫理によって、自ら選択し制限する類のものであろう。人間性に悲観的すぎることはない。
■5■そもそも名前を与えることによって、その与えられた概念は名前とのずれから腐り始め易いが、それでも敢えて名無しのところに仮の名前を日本的なリバータリアニズムとでもなるのだろうか。如何なる外的権威や圧力にも屈することなく、自らの生きざまを見定めねば。
■6■今は男女同権である。何も言わないことは法を良しとしないでいるか、奴隷状態でいるのかを自らに問うてみるべきだろう。「国」そのものの在りようも含めて、既得権を得ていると認められているつもりの現行法に対し、をそのままで良しとするか否か考えても良いだろう。
■7■もっともこれは私自身に語るひとり語りではあるのだが。
今夜はアジア杯決勝をガン見
- 2011.01.29 Saturday
- ■サッカー&スポーツ
- 12:00
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- -
- by 小野満麿
■今夜はサッカーアジアカップ決勝。オートスラリアvs日本戦。昨夜から今朝未明にかけては3位決定戦で、韓国vsカザフスタン戦があり、かなり長時間TVをガン見した。準決勝の日本戦で疲弊し切っていた韓国、チームの勤勉で熱烈でしかも清々しい良いチームだ。
■以前はやれ因縁の宿敵だとか、血で血を争うバトルなどと煽られていたが、今回のチームは練習時から日本より笑顔が見られたし、それでも絶対最後まで諦めない姿勢は変わらないし、20歳ちょっとの才能溢れる選手が沢山いる。日本もうかうかできないだろう。
■そんな韓国チーム、カザフスタンの選手と共に爆走してもつれあい、凄いスピードでゴールラインをはみ出して、看板の板に重なり合って激突したチャ・ドゥリ選手。起き上がる時、手を差し出して微笑み、カザフの選手もほぼ同時に手を出して握手しながら立ち上がっていた。
■それを見た時、ああ、サッカーって本当にいいなあと思った。全力で戦うけれど、いつも相手をリスペクトしている。それはまた自分自身をもリスペクトしているということだし、何より応援している両チームのサポーターたち同士の関係にも現れている。
■相手を意図的にケガさせたり、人種差別その他でやる気をなくさせたりするようなチームやサポーターのチームは、結局最後まで勝ち残れない弱さと愚かさの表出なのだといつも思う。大会に勝ち残るチームにはそのようなところはほとんどない。カザフもいいチームだった。
■韓国があっさり美しいパスワークから3点をもぎ取った後、ハーフタイムできっちり修正してきて、後半は別のチームのように機能して、過労から足が止まった韓国チームに対して2点を返した。日本戦の時と立場が変わったかのように、最後の1点を死守する韓国。
■サッカーに限らないけれど、大会で準決勝、準々決勝などでの好試合は本当にどちらも勝たせてあげたいし、勝ち負けを決める最終手段としてのPK戦いは残酷ですらある。しかし戦争や政治とは全く次元の異なるスポーツとしての戦いは「美しさ」「健やかさ」がある。
■韓国チームは、以前は少し違和感を感じさせていた、背後で関係ない者らによって蠢いていた因縁の残りかすを超えて、実に健やかでそして強く美しいチームになりつつある。細かいパスワークやシステムを含めた戦略なども日本チームと似てきている。共に強くなりたいものだ。
■そして今夜は決勝。日本vsオーストラリア。韓国とは全くタイプの異なるチームだから、与し易しなのか強さと大きさに手こずるのか戦ってみなければ分からない。香川が戦線離脱したのは、実に残念だ。おそらく最後は高年齢のオーストラリアと若い日本の戦いの結果が出るのでは。
■何はともあれ、今夜はピール片手につまみをほおばりつつなどという娯楽の対象として見るのではなく、互いにリスペクトしつつ自らの全力を出し切る美しい戦いを、こちらも最大限にリスペクトして真剣に見たいと思う。試合終了後の雰囲気が最高のものであることを信じつつ。
引用は所詮引用に過ぎない
- 2011.01.28 Friday
- ■日々の記録
- 23:34
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- -
- by 小野満麿
■1■言葉を用いるのは人間には仮の手段としてある程度仕方はないけれど、学問的なものにしても宗教的・科学的なものにしても、先達の言動や理論や哲学をさも自らの権威づけと正当化のために盛り込む者の多すぎることには閉口する。引用は所詮引用に過ぎないのだ。
■2■リツイートはこの21世紀第2ディケードにおいてはしかたのないことだが、個人的にはあまり好きではない。もっと自分の言葉で、もっと自分の考えで語ってしかるべきだ。自らの存在を最高権威を自らの内側から万物につながる方向から語るべし。自分の体の感覚をもっと信じねば。
■3■なぜイデアを用いて宇宙を創造するというスタンスを全面的には取らないのか。やはりこの現在の世界や人間が好きだからだと自己分析する。執着していると取られてもかまわない。もっと自らの感性を高め、聞き耳を立て、目を見張り、全身の触覚で見えない世界も感知したい。
■4■イスラム国家でも長期政権の断末魔が複数聞こえてくる。背景には様々なものがうごめき暗躍しているとしても、目が離せない。反動体制側の断末魔のあがき。世界・日本・愛知・名古屋の現状。そして自分自身の古きものたちにも暴力なしに変わっていってほしい。そうすべし。
見えない動きにも目を凝らし
- 2011.01.25 Tuesday
- ■日々の記録
- 11:33
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- -
- by 小野満麿
■宮崎県では表に出ぬ者が何かよからぬ実験でもしているのだろうか。5羽から「H5型」鳥インフルエンザのウイルスが検出されたからという理由で,41万羽が無条件で殺処分される。殺処分という言葉だけれど、本質は大量殺戮だ。こうするしかないという自治体も流通も法律も、システムとして完全に狂っている。
■自分はベジタリアンだからとか、主に光だけを摂取して生きているから関係ないともし言う者がいるならそれは間違いであろう。それはそれを知った私たち一人一人の問題なのだから。知らないままの者までは巻き込めない。しかし知って知らぬふりをしたり、自らの無力に問題を帰結させてスルーしたりは卑怯であろう。
■携帯電話やメールに夢中になって、すぐ隣にいる人に対する敬意や感謝を忘れることの愚劣さ同様に、遠くのニュースに惑わされて身近の問題を疎かにするのは鈍愚なことであろう。しかし遠くのニュースでも生命の本質をマヒさせるようなものであるならば、倫理的にも情緒的にも個人として反応しなくてはなるまい。
■鳥の大虐殺という事実がそのまま人間対象となるまでに、あとたった半歩しかない現行システムに馴染んでしまっては危険である。国民総背番号制とか、デジタル放送オンリー化とか、ネットや電話などの傍聴システムとか、どんどん物言わぬ家畜化しようとしているシステムの中にのみ居続ける必要はない。出入り自由なのだ。
■鳥豚牛羊魚その他の肉も食することが悪いことだとは決して思わない。なぜならそれらと自分とは1つとなり共に生きるからだ。感謝と慈しみなき食事は、食べられるものに対してだけでなく、自分自身に対しても一番の冒涜であろう。感謝や慈悲は強制するものではなく自覚するものだから、各自の自覚を待つしかないけれど。
■食しても幸せ、食さなくても幸せという境遇には多分誰でも成れる。少なくとも日本人の多くは成れるだろう。しかし食することの快楽に執着し過ぎる者は、すでに食べても食べなくても幸せではないベクトルを補強し続けている。食べても食べなくてもいられる時に食べる喜びを十分に味わうという余裕を持ちたい。
■自分の中の様々に羽ばたく前の優しさや慈しみの思いを、大量に殺処分されるに任せてはならないだろう。飼育されているのでないならば、食するものに対しては最終的に自分の責任で判断すべきである。そして感じ考えるものに対しても、ただ与えられたものを鵜呑みにすることはするまい。真剣に考える時間をもつべきだ。
小さな宇宙空間…綿棒体面体+ブラックライト
- 2011.01.24 Monday
- ■日々の記録
- 01:23
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- -
- by 小野満麿
■去る1月22日(土)、愛知県立芸術大学内で子供プログラム「フォレスト」という活動の一環として、『数と形』をテーマにして綿棒アートを作って遊ぶナビケーターをさせてもらいました。時間は午前10時〜午後3時。現地スタッフは子ども造型教室その他で活躍中のangie☆keikoさん、愛知県芸で長く教鞭をとっている石井先生、生活そのものからアートの宮崎喜一氏、そしてヘルプの大学院生や親御さんたち。
■大学敷地内の建物の中で午前10時にスタート。まずは綿棒多面体の作り方と説明、そしてプラトン立体の話を軽く。幼稚園の頃から森の中で遊び学んできた子供たちばかりであり、いつもは野外で活動しているとのことで、早くも話を聞くだけではうずうずしてきている様子。早々に綿棒とペーパーセメントで正4面体と正8面体の制作開始。多面体の小ネタを混ぜながら、午前中に一気に正20面体まで制作した。
■お昼は前夜から仕込んであった喜一氏の力作「幾何学おでん」と切干大根的きんぴら、大根やこんにゃく等の具材は多面体や幾何学立体になっている。おでんの具材のangieさんの「セルフおにぎりセット」。おにぎりはラップに包まれたご飯を、各自で三角形やまん丸等の幾何学的形に握って食べるのだ。おにぎりを七輪の上に五平餅のようにして焼く者や、まん丸にして味噌だれを付ける子など、創作意欲も満々。
■午後の部は1時過ぎからスタートだ。午後も綿棒多面体としてケプラーの星型8面体を制作した。まず中心の正8面体の12本、正4面体突出部の12本、そしてもう1つの正4面体部分の12本をそれぞれ好みの色の蛍光ペンで3色に塗り分ける。そしてペーパーセメントを軸の部分に塗って乾かす。作業スピードに個人差があったのだが、どうにか頑張って制作完了。いよいよ最後に石井先生の言う小さな宇宙空間へ。
■あらかじめ光を遮断した6畳程のスペースに、完成した子から順次多数の綿棒多面体をテグス糸で天井からぶら下げていく。みんな出揃った後、製作した子供たちと共に床に座った。先ずはホワイトライト(通常の強い懐中電灯の光)を当てて、白い壁に映る影を見る。次に和ロウソクの光を当てて、その雰囲気を味わう。そして最後にブラックライトを当てて、回転させたり光源を移動して多面体の様子を見る。
■ホワイトライトの光源を前後左右上下にゆっくり、そして時にはすばやく動かしてみる。壁に投射された影は、綿棒多面体の影は光源との距離によってピントの鮮明なものからぼやけたものまである。またゆっくり動くものからすばやく動くものからまであり、まるで架空の遊星空間のように不思議な奥行きを感じさてくれる。これは意外な発見だった。暗転。そしてしばらくすると、今度は温かい光が2つ灯る。
■光源は和ロウソクの炎だ。柔らかい光がうっすらと多面体と人々を浮かび上がらせる。宇宙空間から日本家屋の風合いの空間を感じさせる光だ。これも光源を動かすことによって、独特の視覚的感覚を生む。これはモニターの中にみる3D画像とは少し異なり、自らもその中にいる感覚を醸し出す。例えて言えば、外から水質や色合いの研究をするのではなく、実際に温泉に体ごと浸かっている感じとの違いだ。
■電気を消すと再び暗闇だ。何も見えない。軽くBGMが流れている。そして最後に天井に据え付けた長いブラックライトと光源を動かせるように1m近くのブラックライト蛍光灯を点灯する。それまでと違って綿棒多面体が蛍光色に発光している。多面体を回転させると、蛍光色の新しい残像が幾何学的な形を浮かび上がらせて美しい。やがて子供たちは互いの顔や手先についた蛍光液も面白がって大はしゃぎ。
■最後にプラトン立体の3−4−5や、5という数の意味などをまとめ、主催者や協力者が挨拶をして終了。見事に芸術的な曲線から構成されている曲者三人組+スタッフ・協力者さんたちのおかげで、何の気兼ねも気苦労もなく、無事終わることができた。子供たちはさらにその後、近所の林の中で遊んでいた。元気いっぱいである。猫型宇宙人が登場したり、巨大な雀バルーンや野外観察など、毎回様々なアイデアを凝らして行われている子供プログラム「フォレスト」。今後もこの企画を見守っていきたいものだ。
2011年度版『ヘリオコンパス』
- 2011.01.23 Sunday
- ■暦について
- 16:23
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- -
- by 小野満麿
■昨日は1日、愛知県立芸術大学の敷地内で子供たちと綿棒多面体ワークをして過ごした。夜帰るとポストに郵便物配達の不在通知が入っていた。差出人「杉山開発」。良く見ないうちにサッカー・アジアカップの、豪州VSイラク戦と韓国VSイラン戦を連続して見つつ爆睡。今日起きてから不在通知を見直して、開知クンがまた洒落気味の会社でも作ったのかなと思った。郵便局に掛けあって、午後に再配達された物を見るとちゃんと開知となっていた。どうも昨日の「開発」は配達員が不在通知表を記入する時に、「開知」という珍しい名前を会社名か何かの「開発」と勘違いしたらしい。
■さてその郵便物だが、長細い箱の開封する位置にある「開」という封印を解くと、「知」の塊が詰まっていた。今年からの「地球暦・ヘリオコンパス」は無料で希望者に配布すると言うシステムを取っている。その出来栄えは毎年進化し続けている。その辺の偽アーティストのつまらない作品などは比べ物にならない完成度だ。20年前のまだ健全だった頃のホゼ・アグエイアスによる無料のギフト『ドリームスペル』を手にした時のしびれるような感慨と感謝の気持ちに似た感覚があった。深く頭を垂れて敬いたくなるその志の無私性も含め、私はその生きざまに深く共鳴共感する一個の人間である。
■これだけのものが手元に届く者は、製作者や協力者たちの限界を知らない完成追求の姿勢と純粋さに感謝しつつ、マスゴミや似非アカデミズムや旧態然とした過去の遺物に近い権威主義等に犯されていない純粋なる作品ともっと一体化すべく、慈しみと喜びの情を重ねるべきだと私は強く思う。もっとも分からないことについてこうあれと強要するつもりは毛頭ないし、そのようなことは地球暦の姿勢とも矛盾してしまう。もちろんこれは全てではない。しかし個人の全ての中に入れる余地がないとしてはじき出すには余りにもったいない知的財産、もしくはそれに至るツールである。
■グレゴリオ暦メインではないので、このヘリオコンパスはまだこれからスタートする。手に届いたたならばそれは想定外の恩寵である。自らまとめて他者に配布するのは慈愛の人であろう。自らが偉いとか経済的援助者だなどと勘違いする者は愚か者である。知らないまま、使わないままでも生きていける。しかしそれを手にした者は、私に言わせれば実に幸運である。ただしそれだけではまだ半分だ。残る半分は自ら能動的・創造的にその暦を用いて生きることであろう。万民必携の暦とは言わない。しかし万民が公平かつ個人的に入手する可能性を持つアイテムではある。
■しかも面白いことに毎日必ず目にしなくてはならないものでもない。これらの入手や配布のシステムについて興味のある人は、杉山開知氏関係のサイトやコミュニティを当たってもらいたい。リンクを張ってワンクリックで情報に行き当たるという簡便さのみが未来に続くわけではないし、ネット上にはない「知」もまた無数にあることを念頭に置きつつ、ネット上にそのことを放逐してみる。あの人工衛星にも用いられているミウラ折りの技術で(しっかりライセンスも取ってある偉いライトなセンス!)あの大判のヘリオコンパスが手のひらサイズに折りたたまれているのには驚いた。
■良いと思った技術をどんどん取り入れることは知っていたけれど、これひとつだけでも手にする価値があると感じてしまった。まああえて言えば『ヘリオコンパス』は太陽系内惑星を10の12乗分の1に折りたたんだ「カイチ折り」でもある。折りたたまれたものは開かれねばならない。面白いことに開かれた知がみなぴったり同じでないということだ。それは不合理ではなくむしろ未来に続く未知なる部分である。関係者の皆さんに心から感謝とエールを送りたい。
骨は数であり、数は骨である
- 2011.01.19 Wednesday
- ■数の世界
- 19:22
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- -
- by 小野満麿
■「1,2,3,4…そして5イコール新たなる1」というテーマで、ペンターブシステムの私なりの喩えとして、よくこんなふうに話していた。1,2,3,4と指が平行に4本あって、それを5番目の親指が1つの握りこぶしにする。さらにこの1つにしたこれら右腕・左腕・右足・左足の四肢を、(頭のある)胴体が1人の人間としてまとめている。またさらに異なる性格(マヤン的には色)を持つ4人が、5番目の人間でもあるチームリーダーの下で1つにまとまると想像以上の力を発揮する。
■しかしこの話はいつもマクロ方向への展開だけで、ミクロ方向への言及はしていなかった。そこで今回は改めて、基本とした1本の指そのものの内部構造も見てみることにした。その構造を確認するために、自らの手の指を触ってみよう。親指以外は指先側から末節骨・中節骨・基節骨・第2中手と4つの骨があって、それが手根骨という手首の付け根の骨群に接続している。4番目の指の骨は腱や筋肉が交差する手のひらの中に埋まってはいるけれど、触ってみれば確かに分かれて存在していることが分かる。
■ところで親指だけは他の4本の指と違って3つの骨から成っているが、先端の2つの骨が進化の過程で1つになったものと考えられている。それぞれの指の骨は先の方から順次、ほぼ黄金比の割合で大きくなっている。これは肩まで繰り返されているのだが、この話はまた別の機会に譲ることにしたい。さてこの指たちがまとまって接合している手根骨という部分は8つの骨のブロックが接合したものだ。手根骨は舟状骨・月状骨・三角骨・豆状骨の4つと、大菱形骨・小菱形骨、有頭骨・有鈎骨の4つである。
■これらが見事に組み合わさって、手のひらの絶妙な可働鞍状形体と膨大な負荷に耐える強度を作っているのだ。これらが見事に組み合わさって、手のひらの絶妙な可働鞍状形体と膨大な負荷に耐える強度を作っているのだ。これらの骨は1つとして同じ形はなく、しかもそれぞれが有機的に連結連動し合って動くのである。つまり肘と手首との間の腕の骨である橈骨と尺骨の先には、4+4の8つの手根骨と、4×4+3×1の19本の指骨の合わせて27の骨がついているのである。3の3乗である。両手で54個。
■数ギークとしてはすぐにでも様々な数構造と同型対応していると騒ぎ出したいところだがここはぐっと堪えて、むしろこの人体の驚異なる複雑さと絶妙なる美しさを讃えたい。そして何より素晴らしいことには、この自分自身の手もまた同じ構造と機能を持っているだけでなく、しっかり愛情と目的を持って共にものごとを為そうとすれば、奇跡のようにその思いや意志と共に動くのである。ひとりよがりの話ではない。それぞれの人がそれぞれの体を持っている。何とも絶妙なる世界構造であろうか。
■昔から絶妙至極な人体や意識の構造や機能や仕組みに対して、感動し驚嘆しながら生きてきたつもりである。たとえ手の骨の1個でも傷つけようとすることそのものに対するそれは成すべきことではないという思いが強かった。倫理や宗教や哲学を持って非難や共生を測る以前に、人体や命を傷つけるという行為の愚鈍なる無自覚さに対する憤怒が湧き上がった。怒り狂うだけでは問題解決には至らないのだけれど、このような思いを背景に数を数えたり形を見たりすることは、決して無意味ではないと信じている。
■そうは言っても、自分自身も時には他者を傷つけ、自らの心身に対しても最善ではない扱いや共動をしょっちょうしてしまっているけれど、それでもその情けなさや非力感を絶えず自ら乗り越えて、これらも含む数と形をいかに観念的・抽象的過ぎないように、惑星や多面体や暦や音楽や言葉の話と結びつけられるかが問題であり解決でもあるのだけれど、それらに関してはまた別の時にご披露できたら至福のいたりであると思う。…ちょっと骨太の話になってしまった。骨は数であり、数は骨である。
(※)図は船戸和弥氏のホームページ http://web.sc.itc.keio.ac.jp/~funatoka/ より感謝と共に借用。
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