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  • 2024.01.09 Tuesday
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クラドニパターンを立体上に見る



■クラドニパターンの球の表面、及びプラトン立体の表面への拡張を考えてみよう。多面体も内側から膨らませていけば、面・点・線と振動と振動を残したまま最終的に球体になる。クラドニパターンで最初の定常波パターンは1本の結節線ができて+と−の振動が交互に生じていたが、理想的な球面上でできる線は方向は問わないが赤道のような大円になるだろう。赤道の北半球と南半球で振動の極性は逆になる。

■球体表面の振動数がさらに上がると、やがて受精卵の初期卵割のような形で、クラドニパターンは再分割して全体は4つの部分に分かれる。さらに振動数を上げると全体は8分割となるが、この形は正8面体を内部からその外接球まで膨らませた形に等しい。実際の受精細胞は、さらに16分割した後、32分割では表面の安定のために切頭20面体の形状に変形し、64分割以降は内胚葉と外胚葉に分かれていく。

■プラトン立体には正8面体の前に正4面体と正6面体があるが、そのままでは隣り合う面が全て逆の動きをすることは不可能なので、それぞれの各面をさらに分割する操作が必要となる。正4面体と正6面体の各面を分割することで、クラドニパターンを乗せるには、図のように正3角形と正方形を2分することで可能となる。また正3角形をさらに6分割、正方形を4分割・8分割していくという方法もある。



■次に正20面体及び正12面体上の振動とクラドニパターンについても考えてみよう。正20面体は1つの点に5本、正12面体は3本の線が集まるので、共にそのままでは各面を交互に振動させることはできない。正20面体各面の正3角形及び正12面体各面の正5角形の形状を保持したまま、それぞれの面を6分割及び10分割して線及び面を偶数にし、2色に塗り分けて分かりやすくしたものが下図である。

■この塗り分けされた2つの立体の表面は、共に120個の直角3角形からなっている。これらの立体の中心からその外接球にこの塗り分けパターンを射影すると、2つの立体とも同じパターンになる。実はこの形は「惑星グリッド」として知られる120面体と同じものである。諸条件の影響を排して地球を振動する理想的な球体と考えれば、惑星グリッド上に高次のクラドニパターンを想定することが可能である。

■図の左下は正12面体と正20面体の相貫体パターンに投射したものである。正20面体と正12面体の相貫体の頂点をつなぐと菱形30面体ができる。その30面全てに対角線を描き、交互に塗り分けたものを球面に投影すればやはり同じ立体になる。クラドニパターンと同型対応することで、惑星グリッドは細分化することができ、全体との関係を考慮に入れつつ、ローカルな部分を見ていくこともできるだろう。












 
 


クラドニパターンと周波数比



■ドイツの物理学者クラドニは、18世紀末頃から弦や棒の振動の研究を始め、やがて「音響学の父」と呼ばれるようになった。彼は水平に置いた板や膜が横振動をしている時にその上に砂を撒くと、その砂はほとんど振動しない節線に集まることを発見した。この砂が作る幾何学的形状はクラドニパターンと呼ばれている。上図は理想的な膜上のクラドニパターンと周波数の比率関係を示した実験結果である。

■ティンパニ型に張られた膜に、ドラムの周囲から中心に向かって1/4の点に震動源を据えて振動数を上げていき、膜上の砂が最初に円状になる時の周波数を基本の1とする。以下順次発生する幾何学的パターンと周波数を見ると、このパターンと周波数には一定の関係比があるのが分かる。なお膜の場合は弦の線的振動とは異なり面的振動なので、上音(基本音より高い音)の周波数は倍音関係にはない。

■弦の場合は振動中でも静止したままの節点があるのに対して、膜の場合には上下に振動しない節線が生じる。この節線には2種類のパターンがある。全体を2分する直径方向の節線パターン(a)と、ドラムヘッドの形からくる同心円の節線パターン(b)だ。そしてこの2種類が組み合わさったパターンが間に顔を出している。上図ではこの2種類の節線を2つの数字(a b)という形で表現してある。

■弦の場合は振動中でも不動の節点があるのに対して、膜の場合には上下に振動しない節線が生じる。この節線には2種類のパターンがある。直径方向の節線パターン(a)と、ドラムヘッドと同心円の節線パターン(b)、そしてその組み合わせパターンである。上図ではこの2種類の節線を2つの数字(a b)という形で表現し、また結節部の両側は逆方向に動くので、分かりやすいように塗り分けてある。

■ティンパニに限らず膜状の打楽器には素材や大きさや張力によって、基本の振動周波数が変わってしまう。基本モードの周波数は張力を2倍にすれば半オクターブ上がり、膜の直径を短くすれば高くなる。30cm径の膜の基本周波数は48cmのそれより60%高くなる。ただし素材や大きさや張力に係わらず、膜の基本振動数(※1)が決まれば、あとのクラドニパターンの周波数比と形状の関係は変わらない。



■膜上に発生する2種類の節線の内、全体を2分する直径方向の節線数は、基本のモードの<0,1>の0から始まって<1 1>,<2 1>,<3 1>,<4 1>,<5 1>,<6 1>で、1,2,3,4,5,6本となり、それぞれ膜面を2、4、6、8、10、12分割している。振動数比は基音の1に対して1.59、2.14、2.65、3.16、3.65、4.15で、各振動数間の差は0.59、0.55、0.51、0.51、0.49、0.5でほぼ0.5である。

■次のモード<7,1>の振動数比を予想すると4.65となるが、未確認なので今のところ見えない7として扱っておこう。同様に同心円パターンのモード<0 1>,<0 2>,<0 3>は同心円の数が、1,2,3である。こちらは<0 1>を基底の1として、周波数比が2.30、3.06と順次1.3 を加算した振動数と捉えられる。もし<0 4>を想定すれば、4.90となろうが、項数が少なすぎるので法則化はできない。
 
■振動に関しては次章「音」で詳しく見ていく予定なので、ここでは(5 1)が最初の振動数比に対して3.65倍になっていること、また(0 3)では3.60倍になっているという点にのみ注目しておきたい。最初のモード(0 1)の振動比を1ではなく100とおけば、シンプルに365と360となるということだが、その円の10分割や3重円という形の表れ方にも単なる偶然以上のものがあるように思える。

■これらのことはまた流体表面の振動や球面上の振動にも拡張することができる。流体層の振動を操作することによって正3角形・正6角形・長方形の格子・準結晶配列・複数形状の混合の定常波パターンを示すことができる。また観察することが難しかったために注目されてなかったが、球や立方体のような立体の振動共鳴系における共鳴形体の立体表面や内部に生じる多くの定常波パターンも想定できよう。

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1)周波数比の基音の振動数は次の式で与えられる。f1=(0.765/2a)×(T/ρ)^1/2(aは膜の半径、Tは膜の縁の単位長あたりの張力、ρは膜の面密度) ところでこの0.765/2(=0.3825)は1/φ^2(=0.3819…)に近似している。また1−0.765は0.235で235朔望周期=19年のメトン周期を連想させる。さらに0.765/2=153/400でもあるが、153の平方根は12.3693…で、1年の間の月の朔望周期回数にほぼ等しい。
0.765/2=153/400 200=153+47
 













生命を育む水に対称性を見る

 

■水の臨界温度は374.1℃だ。臨界温度とは圧力によって気体を液化する場合、ある温度以下でないといくら圧力を大きくしても液体にならない限界温度のことだが、この374.1℃は水の沸点100℃からさらに274.1℃上にある。一方絶対0度の方は水の融点0℃から−273.15℃の下方にある。つまり水の3態(氷・水・水蒸気)の2つの界面である融点0℃と沸点100℃を介してほぼ対称的な値になっている。

■水は人間も含めたほとんどの生物にとって欠くことのできないものだ。人間の体は体重の約60%が水である。私たちの思考や感情も、水のコンピュータと言われる脳や神経回路に沿って立ち上がる。「水は万物の源である」と言ったのは、紀元前6世紀の古代ギリシアの哲学者ミレトスのタレスだ。しかしカアナン出土の楔型文字で書かれた世界最古の物語の中にも、全く同様なことが記述されているという。



■地球の歴史は現在46億年であり、生命が海で誕生したのは今から40億年前であったと言われている。しかしその後の36.5億年というもの、生物は海から陸に上陸しなかった。強烈な紫外線を始めとして様々な理由があったのだが、生命が上陸するためにこれだけの年月が必要だったのだ。また逆に現代から見て36.5億年前に海の中でラン藻が出現し、同時に生命の遺伝情報を伝えるDNAも出現した。

■この解明が始まったのはつい最近である。少し意味ありげに言えば、DNAが自分自身を認識するのに36.5億年かかったということだ。また海中でラン藻やDNAも出現した時代から、生物が上陸するまでの間には、月の自転・公転周期に呼応するかのように27億年を要している。現在という視座から見るためだが、ここにもまた水の温度に見たような、一方が抜けたままの軸上に対称性構造を見てしまう。

■46億年の46とは人間の染色体の数でもある。また10進法的にフラクタルな3億6千年前〜2億9千万年前の時代は地質学的に古生代の中のデボン紀の後で、二畳紀の前の時代で石炭紀と言う。巨大なシダ植物が豊富で、動物では基柱類・昆虫が出現した頃だった。この地球の過去46億年の中に対称性を見る図を下に示そう。単位は億年であり、この中にも365日がホロニックに内在するのは言うまでもない。













 


日本が大好きな亀ちゃんに



■恵那の華ちゃんとこで会ったパリジャンヌ亀ちゃんが、自分のママとの空港での写真(だと思う)を上げていたので、少女マンガ風にスケッチしてみた。パパとの1枚もあったんだけれど、時間がないので軽く1枚だけ、プレゼント。マンガが好きだって言ってたから、こんなんでも許したってちょー。(さて亀ちゃん、日本語どこまでわかるかなー?)

■この亀ちゃん(本名Ingrid Bonneau さん)は現在別府にいるようです。たっつぁんが連れて行ってくれた別府の水源でもあるあの滝とか見れたらいいなあと勝手に思っております。前世日本人だと本人自己申告。日本語を勉強して日本に来る人たちの日本語は本当に昔では考えられないくらい上手いし心が通じる。 













溢れ出る内部の呟き(4)



■現在は2進法と10進法が横行しているから何度も繰り返して言うけれど、フイボナッチ数列の簡単なルールさえ知っていれば、2と10から黄金比の相似ブツはすぐできる。初項2、第2項10として、以降は前2項の和という簡単なルール。ボケないように暗算でいこう。

■<1>2,<2>10,<3>12,<4>22,<5>34,<6>56,<7>90,<8>146,<9>236,<10>382,<11>618,<12>1000,<13>1618,<14>2618…。取りあえずこれくらいまでていいだろうか。いわゆるフュンク・ウレ数列だけれど。

■さんざん、初項と第2項に相当する1と2は数にあらず、数は3から始まるというような暴言吐いているけれど、第3項からを第1項からとして数えると、10項目が1、9項目は1/φ、11項目はφ、12項目がφ^2のそれぞれ1000倍(第4桁まで)になっちゃってる。

■これ1つしっているだけで、結構心はプチリッチ。問題はこれが何を意味するかということだけれど、未だ確定していないものに先行して勝手な意味付けするのは無粋極まりないから、ただ放り投げるのであります。












 

溢れ出る内部の呟き(3)



■自然数の1から5までには時間がない。見て瞬時に1,2,3,4,5は色や形のように脳が認識する。鍛錬すればその瞬時に数え上げられる数を上げることはできるが、本来6以上は瞬時に区別できない。6,7,8,9…を数えるには蓄えた視覚画像を左脳的に数え直すことであり、そこで初めて数の上に時間が流れる。

■虚数には時間がない。正確に言えば虚数は無時間を表現するのに使われるが、その使う人間が虚数を扱う場合、どうしても時間を必要としてしまうというところに第一の齟齬がある。しかし少なくとも単位虚数iの累乗の4値循環は瞬時にイメージできる。このように少しずつ時間をかけて時間の無い虚数領土に踏み込もう。

■人間の視覚認識において、図と地の判別は可能だが、同時に双方を認識することは不可能である。一方を見る時、もう一方を地として必要としており、逆にその地を図として見る時は、もとの図側を背景としての地として必要とするからである。しかしそれは左脳的把握だ。右脳では背後で捉えていても表面化しないだけだ。 

■時間がある・ないと言うのは私たちの日常言語・感覚と、科学的用語と意味における用い方とでは異なるであろうことは予測可能だろう。科学に聡い人には釈迦に説法的で心苦しいが、例えば一般的に分子振動や物質の構造変化はフェムト秒の時間領域で起こるとされている。

■1フェムト秒は10の15乗分の1秒=0.000 000 000 000 001秒=千兆分の1秒である。電子は原子や分子の中である確率
に従って分布しており、その空間分布や位相は波動関数として表される。ざっくり言って、「この位置にこの電子がある確率は何パーセント」 というあれだ。

■しかし複雑なエネルギー準位を持つ分子について、内部の電子波
動関数の時々刻々の変化などを調査する場合はアト秒の時間分解能が必要だという。百京分の一秒で、仏教用語の一刹那に当たる。1秒間に約30万km進める光も、1アト秒の間には約0.3μm(=0.0003mm)しか進まない。

■科学者の精神には敬意を表さざるを得ない。しかし虚時間はまた
別の話である。どんどん時間を分割して行って、名もなき無限小の数を経て、さらにその先に虚があるというわけではない。それでは数の方向性を根本的に間違っている。安易な無限の想定は衝動に似ている。













漏れ出る内部の呟きたち(2)



 ■1■太陰暦の1年は12朔望周期であり、それは354日もしくは355日となる。太陽太陰暦は3年に1度(より正確に言えば19年に7回)閏月を挿入することで太陽暦との調整をする。したがって閏月のある年の1年は384日もしくは385日である。

■2■私たちは10進法を用いて生活しているが、1から10までの自然数の2乗の和は、(1+4+9+16+25+36+49+64+81+100=)385である。もちろん1は数ではないと別枠でくくるならば、2から10までの自然数の2乗の和は384である。

■3■地球の直径は12,756kmであり、月の直径は3,474kmである。また月と地球の間の距離は最大で406700km、最小で356400km だが、その平均を取ると384,401kmとなる。約384×1000kmだが、東京−小笠原、東京−鹿児島が約1000kmに相当する。

■4■3→6→12→24→48→96→128→384。つまり384は3の7番目の2進倍法数(3×2^7)である。1を頂頭として、その左右に2と3配置して順次その2倍数を下方に伸ばしたプラトンのラムダや、グルジェフの3の倍数の世界観も連想せよ。

■5■物理学においてC⇒256Hzとした時の5度上音Gの振動数は384Hzである。62の2乗は3844である。6201は26のピラミッド数だが、その6201の2乗は38452401である。地球のアルベドー(反射能)は0.385であり、水星の軌道長半径は0.387AUである。













漏れ出る内部の呟きたち(1)



■1■違えば違うだけ同じ。同じなら同じだけ違う。他人との違いをどれだけ列挙してみても、それ以外はみな同じである。疑問を1つ解明する度、さらなる謎が増複していることに気づく。自己の特別性を強調する者ほど凡俗に見え、泰然として凡夫のように生きる者ほど生き様が屹立して見える事の不思議。

■2■単なる衒学的表現を超えて、人と人という線の間にあるのが人間。点と言っても位置だけがある数学的定義ではなく、ある程度の空間を占有してはいるけれど、やはり点だからその中は肉眼では良く見えない。人とヒトはまた別。人間と人間の間にあるものがキ。もしくは複素数的にキョ。ョは虚数i的。



■3■地球暦の今この時における有用性と重要性を事あるごとに口にしているが、その火星軌道まで(1キュービットに漸近似)を10の12乗分の1、つまり1兆分の1スケールで取りこんだ地球暦は西洋の数の3桁数括りと東アジアの4桁括りが再び出会うところでもある(3×4=12)という表現もした。

■4■また現今の記憶媒体としてすでに1テラバイトの単位が普通に使われて久しいが、1TBとは2^40=10099511627776バイトであり、これはほぼ1兆(10^12)でもある。ベクトル平衡体の空間の12方向、1年が月の12.369朔望周期等も併せて、これからこの諸12を超えて行くのである。

 

■5■文字で記述された文章の内容は、書き終えた時点で書こうとしていた者から離れるだけでなく、文章化される前の可変能動体から、精査され批評される不動固定体へと変わる。固定した文章内容はその時点から改変され超越されるべきものとなる。一片の異すらなく書かれたものに賛同するなら溺死する。

■6■音と言葉、言葉と文字、文字と音は対応してはいても等しくはない。文字なき言葉を低次とのみ見るならば、高次へ続く位置を失っているだろう。高次とのみ見るならば、低次の尊厳を誤解している。2元的に分別する言葉とそれに対応する文字はプラスマイナスと虚数実数の存在風景にもちと似ている。 













プラトン立体とケプラー・ポアンソ立体

 

■正3角形と正方形は、すぐ隣りの頂点を飛び越して頂点をつないだ図形を描こうとしても不可能だ。正5角形で初めて5芒星が描け、正6角形には正3角形2つからなる6芒星が描ける。正7角形には1つ飛ばしの太った7芒星と2つ飛ばしの痩せた7芒星が描け、正8角形には1つ飛ばしで正方形2つからなる8芒星、2つ飛ばしでひと筆書きの8芒星ができる。以下、正9角形以降も同様に多芒星が描ける。

■2次元平面の多角形には1角形・2角形がなく3番目の3角形から始まっている。同様に多芒星には3芒星・4芒星がなく3番目の5芒星から始まっている。3次元空間のプラトン立体とケプラー・ポアンソ立体の関係もこの多角形と多芒星の関係に似ている。ただしプラトン立体にはさらに面の数が正3・4・5角形だけに限られ、そして点に集まる線の数も3・4・5本だけが許されるという制限があった。



■プラトン立体には、正4面体・正6面体・正8面体・正12面体・正20面体の5種類しか知られてなかった。しかしケプラーは正12面体と正20面体の辺を星型化することにより、1619年に小星型12面体と大星型12面体の2つを発見した。またほぼ2世紀後の1809年に、ポアンソがその双対立体である大12面体と大20面体の2つを発見した(1)。この4立体をまとめてケプラー・ポアンソ立体と呼ぶ。

■プラトン立体とケプラー・ポアンソ立体の最大の違いは、前者が凸多面体であるのに対し後者は凹多面体であるということだ。なお正12面体と正20面体及び4つのケプラー・ポアンソ立体は、みな黄金比を生む5重回転対称性を持つ。ここでこの9立体を戯れに10進法の1〜5まで及び6〜9までの数と対応させてみる発想は、さほど悪趣味ではなかろう。なお数字の0に当たるものには球体を据えてみた。



■プラトン立体の定義を緩めて、面が同一ではなく複数の正多角形でも良いアルキメデス立体は13種類あった。この双対立体のカタラン立体も13種類あるので合わせると26種類になる。また全ての面が正3角形の凸多面体のデルタ多面体は全部で8種類(3種類はプラトン立体)ある。さらに面が全て同一の菱形のみで構成されている等面菱形多面体は4種類存在する。星型多面体はここでは言及しない。

■全ての面が正多角形で全ての辺の長さが等しい凸多面体のうちで、プラトン立体・アルキメデス立体・アルキメデスの角柱・アルキメデスの反角柱を除いた立体をジョンソン・ザルガラー立体と言う。これらは全部で92種類あるが、この92という数は自然界に存在する最大の元素ウランの原子番号(陽子数)や、正4面体を除く4つのプラトン立体の面と点の総和数などを想起させる興味ある数である。

…………………………………………………………………………………………
1)1811年にオーギュスタン=ルイ・コーシーが星型正多面体は全部でこの4種類しかないことを証明した。















ベクトル平衡体から正20面体へ



■「1つの球体に同じ大きさの球体は最大いくつ接することができるか?」という最密パッキング問題の、3次元空間における解は12個だった。この時、外側の12個の球の重心をつなぐと、13種類あるアルキメデス立体の1つである立方8面体になる。この立体は各頂点間の距離も各頂点と重心との距離も全て等しい非常に安定した形状なので、バックミンスター・フラーはこれをベクトル平衡体と呼んだ。

■ベクトル平衡体の要素は点12、線24、そして正8面体由来の正3角形の8面と正6面体由来の正方形が6面で合計14面である。ベクトル平衡体には整数次の殻ができる。殻とはこの各面が、稜線部分の数は重なるが、それぞれ3角数と4角数(※1)として増大していくと考えることもできる。第1層は12、第2層は42だから中心の1個も数に入れると(1+12+42=)55となる。55は10の3角数でもある。



■ベクトル平衡体の第n層の総数は<10・n^2+2>で表される。第3層の92は自然界に存在する最大の元素U:ウランの元素番号でもある。以降第4層は162、第5層252、第6層362…という具合に続く。ベクトル平衡体の第n殻の総数がn2乗の10倍に2を足すとは、人間の精神構造が10進法をベースにしつつ世界を12で括り閉じていると捉えることとも深く関わっていることの目に見える形ではないだろうか。



■3次元図形を軸を中心に360度回転した時、2回以上の整数で対称性を取り戻す時、その軸を回転対称軸という。プラトン立体の回転対称軸の総数はその要素である点・線・面の総数の半分である。正4面体は点と面と線の総和が4+4+6=14なので、回転対称軸はその半分の7本だ。正6面体と正8面体の要素の和は26なので、その半分の13本だった。そして正12面体と正20面体は62の半分の31本である。

■正4面体を自己相貫させると正6面体と正8面体が生じた。しかし同様にして正6面体と正8面体を相貫させても、そこから正12面体と正20面体は生まれない。正12面体はその各面が正5角形であり、正20面体は各頂点に5本の線が集まっている。この形状からも分かる通り、この2立体は黄金比を生む5重対称性を持つ。ではいかにしてプラトン立体の正12面体と正20面体に繋げることができるのだろうか。



■図中央に示したように正4面体を5重に自己相貫させると、正12面体と正20面体へと繋ぐことができる。図左はその頂点を繋ぐと正12面体となることを示したものであり、図右は内部で5重に重畳している部分が正20面体であることを示している。また正6面体の5重自己相貫体の頂点を繋いでも正12面体となる。しかし正8面体の5重自己相貫体の頂点を繋いでも正12面体とはならず、20−12面体となる。



■また正6面体及び正8面体に中接するベクトル平衡体を変形して正20面体に至るという方法もある。1つの球体に12個の球体が接した細密パッキングの形から、中心にあって見えない13個目の球体を取り除けばそこに空間ができる。すると残る12個の球体はそのスペースを埋めるように少しずつ移動して安定する。その変形後の12個の球体の重心を結べば、その形は正12面体の12個の頂点であることが分かる。



■基本的にはこの最密パッキングの13個の球から中心の1個を抜き出す操作と同じことだが、正6面体と正8面体から正20面体を切りだす操作を簡単に見てみよう。正6面体の各面を直交3軸方向に2分する線を、それぞれ1から1/φに縮めて、その12の端点を結ぶと正20面体になる(図左)。また正8面体の各面の面積が1/4だった正3角形の各点を、稜線の1/2の位置からφ/2の位置までスライドさせると、正方形の面も2つの正3角形に折れて正20面体となる(図右)。 













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